この記事のポイント
- 3,000万円・1.5%なら、50年は35年より月20,754円軽い一方、利息は4,081,767円多くなります。
- 期間を延ばすコストは金利が高いほど大きく、2%では50年の利息が35年より5,742,670円多くなります。
- 3,000万円・1.5%の50年返済では、20年たっても借入額の約3分の2が残ります。
- 同じ月額のまま50年にすると借入額は約876万円増えますが、利息の合計は35年の約1.9倍です。
3,000万円・金利1.5%なら、50年は35年より月20,754円軽く、利息は約408万円多い
3,000万円を計算例として金利1.5%で借りると、毎月の返済額は35年で91,856円、40年で83,152円、50年で71,102円です。利息の合計は35年が8,578,882円、40年が9,912,450円、50年が12,660,649円です。
50年にすると、35年より月々は20,754円小さくなりますが、利息は4,081,767円増えます。40年なら月々8,704円小さく、利息は1,333,568円増えます。返済期間を延ばすと毎回の返済額が少なくなる代わりに利息負担が重くなる点は、全国銀行協会の解説でも注意点として挙げられています。
金利は説明用の仮定で、各期間の金利が同じという前提で比べています。実際には期間によって適用金利が異なる商品もあります。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 20年 | 144,764円 | 34,743,116円 | 4,743,116円 |
| 35年 | 91,856円 | 38,578,882円 | 8,578,882円 |
| 40年 | 83,152円 | 39,912,450円 | 9,912,450円 |
| 50年 | 71,102円 | 42,660,649円 | 12,660,649円 |
金利0.5%〜2%で、期間別の月額と利息を一覧にする
| 金利 | 35年の月額 | 40年の月額 | 50年の月額 | 35年の利息 | 40年の利息 | 50年の利息 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0.5% | 77,876円 | 68,972円 | 56,521円 | 2,707,511円 | 3,105,857円 | 3,911,919円 |
| 1% | 84,686円 | 75,857円 | 63,558円 | 5,567,733円 | 6,410,950円 | 8,134,215円 |
| 1.5% | 91,856円 | 83,152円 | 71,102円 | 8,578,882円 | 9,912,450円 | 12,660,649円 |
| 2% | 99,379円 | 90,848円 | 79,138円 | 11,738,779円 | 13,606,448円 | 17,481,449円 |
金利0.5%では、50年にしても利息の増加は35年比で1,204,408円です。ところが2%では5,742,670円増えます。期間を延ばすことのコストは、金利が高いほど大きくなります。
期間を延ばすと、元金の減り方はどれだけ遅くなる?
3,000万円・1.5%の初回の返済では、どの期間でも利息は37,500円です。違うのは元金に充てられる部分で、35年は54,356円、40年は45,652円、50年は33,602円です。毎月の返済額が小さいほど、元金の返済が少なくなります。
| 経過年数 | 35年返済の残高 | 40年返済の残高 | 50年返済の残高 |
|---|---|---|---|
| 10年後 | 22,967,338円 | 24,093,463円 | 25,652,498円 |
| 20年後 | 14,797,322円 | 17,231,687円 | 20,601,887円 |
| 35年後 | 0円 | 4,803,285円 | 11,453,976円 |
50年返済では、20年たっても借入額の約3分の2が残ります。住み替えや売却の可能性がある場合、途中の残高が大きいことは、売却額で残高を返せるかという問題にもつながります。残高の推移は返済予定表の読み方でも確認できます。
- 35年返済
- 40年返済
- 50年返済
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 経過 | 35年返済 | 40年返済 | 50年返済 |
|---|---|---|---|
| 0年後 | 30,000,000円 | 30,000,000円 | 30,000,000円 |
| 5年後 | 26,615,387円 | 27,157,357円 | 27,907,675円 |
| 10年後 | 22,967,338円 | 24,093,463円 | 25,652,498円 |
| 15年後 | 19,035,348円 | 20,791,094円 | 23,221,787円 |
| 20年後 | 14,797,322円 | 17,231,687円 | 20,601,887円 |
| 25年後 | 10,229,433円 | 13,395,239円 | 17,778,073円 |
| 30年後 | 5,306,004円 | 9,260,187円 | 14,734,472円 |
| 35年後 | 0円 | 4,803,285円 | 11,453,976円 |
| 40年後 | 完済 | 0円 | 7,918,145円 |
| 45年後 | 完済 | 完済 | 4,107,108円 |
| 50年後 | 完済 | 完済 | 0円 |
40年・50年ローンは誰でも選べる?期間の上限と年齢
全国銀行協会の解説によると、返済期間は最長35年とする金融機関などが多く、一部の金融機関などで最長45年や50年としているところがあります。また、返済終了時の年齢制限(75歳や80歳など)があることが一般的とされています。
たとえば30歳で50年返済を組むと、完済は80歳です。【フラット35】の借入期間の上限は「80歳-申込時の年齢(1年未満切上げ)」と35年の短い方で、年齢が上がるほど選べる期間は短くなります。年齢から期間を考える方法は完済年齢から返済期間を決めるで計算しています。
住宅金融支援機構の住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)では、利用した返済期間は「30年超~35年以内」が38.9%で最も多く、2023年10月調査からは「40年超~」の選択肢が加えられています。
月額を変えずに期間を延ばすと、借入額と利息はいくら増える?
期間を延ばす使い方には、同じ借入額で月々を下げる方法のほかに、同じ月額のまま借入額を増やす方法もあります。月91,856円・金利1.5%のまま期間を変えると、元金の目安は35年で30,000,218円、40年で33,140,372円、50年で38,756,776円です。
| 返済期間 | 元金の目安 | 利息の合計 |
|---|---|---|
| 35年 | 30,000,218円 | 8,579,020円 |
| 40年 | 33,140,372円 | 10,950,174円 |
| 50年 | 38,756,776円 | 16,356,375円 |
50年にすると借入額は約876万円増えますが、利息の合計は35年の約1.9倍になります。月々の負担は同じでも、完済が15年遅くなり、利息だけが大きく膨らみます。延長で生まれた余裕を「より高い物件」に使うのか、「月々の余白」として残すのかで、同じ50年返済でも意味がまったく違うことがわかります。
長い期間を選ぶときに考えておきたいこと
長い返済期間は、月々の返済額を抑えて家計の余裕を残す手段になります。その一方で、総額が増える、完済が遅くなる、途中の残高が大きいという三つの代償があります。全国銀行協会のFPの回答では、借入期間が長いほど変動金利の金利上昇リスクも大きくなるとされています。
長い期間で借りておき、余裕ができた時期に期間短縮型の繰上返済をする考え方もあります。ただし、繰上返済の条件や手数料は契約によって異なります。期間短縮の効果は繰り上げ返済シミュレーションで試せます。
反対に20年まで短くすると?期間による金利の違いにも注意
比較のために短い期間も見ておきます。3,000万円・1.5%を20年で返すと月144,764円、利息の合計は4,743,116円です。35年より月々は52,908円重くなる一方、利息は3,835,766円少なくなります。期間を延ばす場合と同じく、短くする場合も月々と総額は逆向きに動きます。
また、商品によっては返済期間で適用金利が変わります。【フラット35】は借入期間が20年以下か21年以上かで借入金利が異なり、20年以下を選ぶと原則として返済の途中で21年以上に変更できないとされています。ここまでの表は全期間で同じ金利を仮定しているため、実際に比べるときは期間ごとの金利を確認し、その金利でもう一度計算してください。
期間を変えて自分の借入額で比べる
金利上昇シミュレーションに借入額(残高)と金利を入れ、残りの返済期間を35年・40年・50年に切り替えると、毎月の返済額と利息の合計を同じ条件で比べられます。月々の予算から出発する場合は、返済予算から元金を計算するツールで期間ごとの元金の目安を出してください。
3,000万円の例をほかの金利でも見たい場合は、3,000万円の返済額早見表が使えます。いずれも元利均等・毎月返済・金利一定のモデルです。
参照した情報
- 全国銀行協会:住宅ローンの仕組みと返済方法
- 住宅金融支援機構:【フラット35】ご利用条件
- 住宅金融支援機構:住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)
- 全国銀行協会:Q. 住宅ローン、変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか悩んでいます
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。