この記事のポイント
- 【フラット35】の借入期間の上限は「80歳-申込時の年齢(1年未満切上げ)」と35年の短い方です。
- 3,000万円・1.5%では、上限35年なら月91,856円、上限24年(55歳6か月)なら月124,104円です。
- 40歳で35年返済にすると、60歳時点の残高は14,797,322円、65歳時点は10,229,433円です。
- 月10万円・1.5%の元金の目安は、25年と35年で約766万円違います。
完済年齢の上限は「80歳-申込時の年齢(1年未満切上げ)」で、35年が上限
【フラット35】の利用条件(2026年4月1日現在)では、借入期間は15年以上で、「80歳-申込時の年齢(1年未満切上げ)」と「35年」のいずれか短い年数(1年単位)が上限です。申込み本人または連帯債務者が満60歳以上の場合、下限は10年になります。上限が下限より短くなる場合は借入れの対象になりません。
たとえば申込時に45歳1か月なら、年齢は46歳として数え、80-46=34年が上限です。45歳になったばかりでも1年未満は切り上げるため、誕生日の前後で上限が1年変わることがあります。
ほかの金融機関でも、全国銀行協会の解説によると返済終了時の年齢制限(75歳や80歳など)を設けていることが一般的です。ただし、年齢の数え方や上限は商品によって違うため、申込先の条件を確認してください。
申込年齢別の上限年数と、3,000万円の月々の返済額
| 申込時の年齢 | 計算に使う年齢 | 上限年数 | 月々の返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 30歳3か月 | 31歳 | 35年(80-31=49年より短い方) | 91,856円 | 8,578,882円 |
| 38歳6か月 | 39歳 | 35年 | 91,856円 | 8,578,882円 |
| 45歳1か月 | 46歳 | 34年 | 93,912円 | 8,315,419円 |
| 49歳5か月 | 50歳 | 30年 | 103,537円 | 7,272,676円 |
| 55歳6か月 | 56歳 | 24年 | 124,104円 | 5,741,653円 |
| 60歳3か月 | 61歳 | 19年 | 151,301円 | 4,496,249円 |
30歳代の前半から後半までは、80歳から差し引いた年数が35年を超えるため、上限はどちらも35年です。45歳を過ぎると、年齢が1歳上がるごとに上限が1年ずつ短くなります。上限年数が短くなると、同じ3,000万円でも月々の返済額は大きくなります。30歳代なら35年で月91,856円ですが、55歳6か月では上限24年で月124,104円、60歳3か月では19年で月151,301円です。その代わり利息の合計は小さくなります。金利は説明用の仮定です。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 30歳代・上限35年 | 91,856円 | 38,578,882円 | 8,578,882円 |
| 45歳1か月・上限34年 | 93,912円 | 38,315,419円 | 8,315,419円 |
| 49歳5か月・上限30年 | 103,537円 | 37,272,676円 | 7,272,676円 |
| 55歳6か月・上限24年 | 124,104円 | 35,741,653円 | 5,741,653円 |
| 60歳3か月・上限19年 | 151,301円 | 34,496,249円 | 4,496,249円 |
80歳完済の上限と、定年までに終える期間は別に考える
上限年数は「その年数まで借りられる」という意味で、その年数で返すべきという意味ではありません。全国銀行協会の解説では、無理のない返済期間を考える方法として、定年退職の年齢から返済開始時の年齢を差し引く計算を紹介しています。定年が65歳なら65歳から差し引いてもよいが、60歳以降の収入が60歳時点より減る可能性があるなら、60歳から差し引いた方がよいという考え方です。
40歳で3,000万円を金利1.5%・35年で借りると、完済は75歳です。このとき、60歳時点(20年後)の残高は14,797,322円、65歳時点(25年後)の残高は10,229,433円です。65歳で完済する25年返済にすると、月々は119,981円で、35年返済より28,125円重くなります。
80歳完済の上限いっぱいで借りる場合は、定年後の残高を退職金や年金・貯蓄からどう返すのかを、借入れの時点で考えておく必要があります。詳しくは定年時の住宅ローン残高を計算するで扱います。
- 35年返済(75歳完済)
- 25年返済(65歳完済)
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 経過 | 35年返済(75歳完済) | 25年返済(65歳完済) |
|---|---|---|
| 0年後 | 30,000,000円 | 30,000,000円 |
| 5年後 | 26,615,387円 | 24,864,132円 |
| 10年後 | 22,967,338円 | 19,328,522円 |
| 15年後 | 19,035,348円 | 13,362,051円 |
| 20年後 | 14,797,322円 | 6,931,188円 |
| 25年後 | 10,229,433円 | 0円 |
| 30年後 | 5,306,004円 | 完済 |
| 35年後 | 0円 | 完済 |
同じ月10万円でも、25年と35年で借りられる額は約766万円違う
月々の予算から考える場合も、期間の差は大きく効きます。計算例として月10万円・金利1.5%なら、元金の目安は25年で25,003,980円、35年で32,660,052円です。定年までの25年で終えようとすると、35年で借りる場合より約766万円小さい借入額が目安になります。
この差をどう埋めるかには、頭金を増やす、物件価格を下げる、35年で借りて定年までに繰上返済で残高を減らすといった方法があります。どれを選ぶかで、手元資金や毎月の家計の余裕が変わります。繰上返済で期間をどれだけ縮められるかは繰り上げ返済シミュレーションで確認できます。
収入合算や親子リレー返済では、基準になる年齢が変わる
【フラット35】の収入合算では、合算額が合算者の年収の50%を超える場合、申込み本人と合算者のうち年齢が高い方を基準に上限を計算します。年上の親や配偶者の収入を多く合算すると、上限年数が短くなることがあります。
親子リレー返済は、申込み本人とその後継者が2世代で返済する制度です。後継者は申込み本人の子・孫など(またはその配偶者)で定期的な収入がある人、申込時に満70歳未満、連帯債務者になる人1名とされ、申込み本人の年齢にかかわらず後継者の年齢をもとに借入期間を選べます。この場合、申込み本人が満70歳以上でも申し込めます。
どちらも、返済の責任を負う人が増える仕組みです。期間を延ばせるかどうかだけでなく、誰がいつまで返すのかを家族で確認してから利用を考えましょう。
20年以下を選ぶと、後から延ばせない場合がある
【フラット35】では、20年以下の借入期間を選んだ場合、原則として返済の途中で21年以上に変更できないとされています。また、借入期間が20年以下か21年以上かで借入金利が異なります。完済年齢を早めたいからと短い期間を選ぶ前に、途中で収入が減ったときに期間を延ばせるかどうかも確認しておくと安心です。
反対に、長い期間で借りておき、余裕があるときに繰上返済で短くする方法は、月々の返済額を低く保てる一方、利息は短い期間で借りるより多くなりやすく、計画どおりに繰り上げられなければ完済も遅くなります。期間の選び方による総額の違いは35年・40年・50年ローンの比較や残り期間の考え方でも確認できます。
申込み前に確認したい年齢と期間のチェックポイント
- 申込時の年齢(1年未満を切り上げるか)と、利用する商品の完済時年齢の上限
- 定年の年齢と、60歳以降・65歳以降に見込める収入
- 定年時点で残る残高と、その返し方(退職金・貯蓄・繰上返済)
- 収入合算や親子リレー返済を使う場合、基準になる年齢と返済する人
年齢による上限は、審査の基準の一つにすぎません。上限まで借りられるかどうかと、その期間で無理なく返せるかどうかは、分けて考えましょう。
完済したい年齢から期間を決めて計算する
返済予算から元金を計算するツールで、返済期間に「完済したい年齢-今の年齢」を入れると、その期間で返せる元金の目安がわかります。たとえば40歳で65歳完済を目指すなら25年、上限の35年と比べると違いがはっきりします。
借入額が決まっている場合は、金利上昇シミュレーションに借入額と期間を入れ、年別の返済表で定年時の残高を確認してください。どちらも元利均等・毎月返済・金利一定のモデルで、審査の可否は判定しません。
参照した情報
- 住宅金融支援機構:【フラット35】ご利用条件
- 全国銀行協会:住宅ローンの返済可能額を知ろう
- 全国銀行協会:住宅ローンの仕組みと返済方法
- 住宅金融支援機構:【フラット35】収入合算
- 住宅金融支援機構:【フラット35】親子リレー返済
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。