借入額の目安

返済負担率の計算方法:すべての借入れを含めて年収で割る

返済負担率=年間返済額÷年収。【フラット35】の基準と、住宅ローン以外に含める借入れ(自動車・教育・カードローン、リボ払いなど)、年収の数え方を計算例で確認します。

この記事のポイント

  • 返済負担率は、住宅ローンを含むすべての借入れの年間返済額を年収で割った割合です。
  • 【フラット35】の基準は、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下です。
  • 年収500万円の人に月1万円のリボ払いがあると、返済負担率は2.4ポイント上がります。
  • 調査で最も多い返済負担率は「15%超~20%以内」の26.2%ですが、世帯年収で割った数字です。

返済負担率=すべての借入れの年間返済額÷年収

返済負担率は、1年間に返す借入れの合計が年収の何%にあたるかを示す割合です。住宅ローンを借りる前なら、これから借りる住宅ローンの返済額に、すでに返済中のほかの借入れを足して計算します。

計算例として、3,000万円を金利1.5%・35年(元利均等)で借りると、毎月の返済額は91,856円、年間では1,102,272円です。年収500万円なら返済負担率は22.0%(1,102,272÷5,000,000=0.2205)、年収600万円なら18.4%です。金利は説明用の仮定です。

同じ住宅ローンでも、年収が違えば割合は変わります。また、金利が変わる商品では、借入れ後に返済額が変わると割合も変わります。返済負担率は「借りる時点の数字」であることを意識しておきましょう。

フラット35の基準:年収400万円未満は30%、400万円以上は35%

公表されている基準の一例として、【フラット35】(2026年4月1日現在の利用条件)は、すべての借入れについて、年収に占める年間合計返済額の割合(総返済負担率)を、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下としています。収入を合算できる場合もあります。

この基準は【フラット35】のもので、ほかの金融機関の住宅ローンが同じ割合や同じ計算方法を使うとは限りません。審査で使う割合や、計算に使う返済額の考え方は金融機関によって異なる可能性があるため、申込先に確認してください。

また、基準を満たすことは借入れの必要条件の一つで、基準内なら家計が楽という意味ではありません。家計から見た考え方は手取りの何割を返済に回せるかで説明しています。

住宅ローン以外に含める借入れ:自動車・教育・カードローン・リボ払い

【フラット35】の総返済負担率でいう「すべての借入れ」には、【フラット35】以外の住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローンなどが含まれます。カードローンには、クレジットカードによるキャッシングや、商品の分割払い・リボ払いによる購入も含まれるとされています。収入合算者の借入れも含め、賃貸予定または賃貸中の住宅の借入金も原則として含みます(賃貸用アパート向けのローンなど一部を除く)。

年収500万円・住宅ローン3,000万円(金利1.5%・35年、月91,856円)の場合
返済の内訳月々の返済合計返済負担率
住宅ローンのみ91,856円22.05%
+自動車ローン月2万円111,856円26.85%
+自動車ローン月2万円+リボ払い月1万円121,856円29.25%

月1万円のリボ払いでも、年間では12万円で、年収500万円の2.4ポイント分になります。少額の分割払いやリボ払いは見落としやすいため、申込み前にクレジットカードの利用明細も確認しておきましょう。

年収はどの数字を使う?給与収入と所得金額の違い

【フラット35】では、年収は原則として申込年の前年の収入を証明する公的な書類に記載された金額です。給与収入だけの人は給与収入の金額、それ以外の人は所得金額(事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、給与所得の所得金額の合計)を使います。

自営業などで所得金額を使う場合、売上ではなく経費を差し引いた後の金額になるため、同じ「年収」という言葉でも給与所得者とは数字の性質が違います。公的な書類が出ない時期(1月〜5月頃)の申込みは金融機関によって取扱いが異なることがあるとされています。住宅に設置する太陽光発電設備の売電収入を年収に加えられる場合もあります。

家計で使う「手取り」は、税金や社会保険料を引いた後の金額で、ここでいう年収とは違います。返済負担率を自分で計算するときは、どちらの数字で割っているのかを明確にしておきましょう。

基準から逆算する:ほかの返済があると住宅ローンはいくら減る?

年収500万円で35%を上限とすると、すべての返済の合計は月145,833円までです(円未満切捨て)。ほかの返済がなければ、計算例の金利1.5%・35年で住宅ローンの元金の目安は47,629,134円です。ほかに月2万円の返済があれば住宅ローンに回せるのは月125,833円で元金41,097,124円、月3万円なら月115,833円で37,831,119円になります。

年収380万円なら基準は30%で、月95,000円、同じ条件で元金は31,027,050円です。年収400万円前後では、基準の割合が変わることで逆算した元金も大きく変わります。

これらはあくまで基準から逆算した数式上の金額で、借りられる額や借りてよい額ではありません。【フラット35】の利用条件にも、審査の結果によっては希望に沿えない場合があると記載されています。

年収500万円・負担率35%(月145,833円)・35年の元金
  1. 金利1.5%4,763万円

ほかの返済が月2万円なら月125,833円で41,097,124円、月3万円なら月115,833円で37,831,119円です(本文参照)。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
年収500万円・負担率35%(月145,833円)・35年の元金
金利元金の目安総返済額利息の合計
金利1.5%47,629,134円61,249,573円13,620,439円

実際に借りた人の返済負担率はどれくらい?

住宅金融支援機構の住宅ローン利用者調査(2026年1月調査、2025年4月〜9月に借りた人が対象)では、返済負担率(年間返済額÷世帯年収)は「15%超~20%以内」が26.2%で最も多くなっています。この調査は世帯年収で割った割合で、本人の年収だけで割る審査の数字とは定義が違う点に注意してください。

調査の割合は、ほかの人がどう借りたかを示すもので、自分の家計にとって適切な割合を示すものではありません。教育費や車の買い替え、老後の準備など、世帯ごとに優先したい支出は違います。全国銀行協会の解説も、借りられる金額と返すことができる金額は大きく異なる場合があるとしています。

返済負担率を計算するときのチェックリスト

  • 住宅ローンの年間返済額(ボーナス返済を使う場合はその分も含む)
  • 自動車・教育・カードローン、キャッシング、分割払い・リボ払いの返済
  • 収入合算をする場合は、合算者の借入れの返済
  • 割る年収は、税込みの給与収入か、所得金額か、手取りか
  • 金利が変わる商品では、金利が上がった場合の割合

年収から借入額を考える全体の流れは年収から住宅ローンの借入額を考えるで、車のローンがある場合の具体例は年収400万円の住宅ローンで計算しています。

自分の返済負担率から借入額の目安を出す

返済予算から元金を計算するツールの「年収から月々の金額を求める」に年収と返済負担率を入れると、月々の返済予算が計算されます。ほかの借入れがある場合は、表示された月額からその返済額を引いて「月々の返済予算」に入れ直してください。

すでに借入額が決まっている場合は、金利上昇シミュレーションで毎月の返済額を出し、12を掛けて年収で割ると返済負担率になります。金利が上がった場合の返済額も同じ画面で確認できます。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。