税と控除

住宅ローン控除13年間の合計はいくら?借入額別の試算

2026年入居・35年・金利1%で、借入額2000万〜5000万円の住宅ローン控除13年間の合計を住宅の区分別に試算。限度額で頭打ちになる仕組みと、所得税・住民税の上限で実際に控除される額の違いも確認します。

この記事のポイント

  • 2026年入居・35年・金利1%では、13年間の合計は借入額と住宅の区分により約120万〜370万円です。
  • 省エネ基準適合住宅は3000万円で毎年限度額に届き、それ以上借りても1,820,000円のままです。
  • 4000万円から5000万円に増やすと、ZEH水準の控除は227,300円増え、利息は1,856,059円増えます。
  • 実際に控除されるのは、毎年の所得税額と住民税の上限(97,500円まで)の範囲です。

13年間の合計は、借入額と住宅の区分で約120万〜370万円

2026年に新築住宅へ入居し、35年・金利1%の元利均等で返済する場合の、住宅ローン控除13年間の合計を借入額別に計算しました(4月入居、特例対象個人に当たらない場合)。中古の「その他の住宅」は控除期間が10年です。

2026年4月入居・35年・金利1%・元利均等の場合の控除額の合計
借入額新築・認定住宅(13年)新築・ZEH水準(13年)新築・省エネ基準適合(13年)中古・その他の住宅(10年)
2000万円1,516,500円1,516,500円1,516,500円1,220,800円
3000万円2,275,200円2,275,200円1,820,000円1,400,000円
4000万円3,034,000円2,949,900円1,820,000円1,400,000円
5000万円3,726,300円3,177,200円1,820,000円1,400,000円

ただし、これは計算上の控除額です。実際に控除されるのは、毎年の所得税額と、住民税の上限(前年分の所得税の課税総所得金額等の5%、97,500円まで)の範囲です。

借入額を増やしても合計が伸びなくなる理由

控除額は毎年「年末残高×0.7%」と「控除限度額」の小さい方です。借入額が小さいうちは残高×0.7%が限度額を下回るので、借入額に比例して控除額が増えます。借入額が大きくなると限度額で頭打ちになり、それ以上借りても控除額は増えません。

  • 省エネ基準適合住宅(限度額14万円)は、3000万円の時点で13年間ずっと限度額に届き、4000万円・5000万円でも1,820,000円のままです。
  • ZEH水準省エネ住宅(24.5万円)は、3000万円では一度も限度額に届かず、4000万円で5年目まで、5000万円で12年目まで限度額いっぱいになります。
  • 2000万円では、どの新築の区分でも残高×0.7%が限度額を下回るため、合計は1,516,500円で同じです。

控除額を増やすために借入額を増やすと、利息も増えます。たとえば4000万円から5000万円に増やすと、ZEH水準の控除額は227,300円増えますが、35年間に払う利息は7,423,677円から9,279,736円へ1,856,059円増えます。控除は借入額を決める理由にはなりにくい点を押さえておきましょう。

35年・金利1%の利息の合計(4000万円と5000万円)
  1. 4000万円742万円
  2. 5000万円928万円

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
35年・金利1%の利息の合計(4000万円と5000万円)
条件毎月の返済額総返済額利息の合計
4000万円112,915円47,423,677円7,423,677円
5000万円141,143円59,279,736円9,279,736円

所得税と住民税の上限で、実際に控除される額

同じZEH水準省エネ住宅でも、所得税額によって実際に控除される額が変わります。所得税額が毎年12万円、課税総所得金額等が220万円(住民税の上限は97,500円)と仮定して計算しました。

2026年4月入居・新築ZEH水準・35年・金利1%、所得税額年12万円・課税総所得金額等220万円と仮定
借入額計算上の控除額合計所得税から住民税から実際に控除される合計
3000万円2,275,200円1,560,000円715,200円2,275,200円
4000万円2,949,900円1,560,000円1,201,300円2,761,300円

3000万円なら計算上の控除額を全額使い切れますが、4000万円では188,600円が使い切れません。控除限度額の大きい区分や借入額の大きいケースほど、所得税額が少ないと「計算上の合計」と「実際に控除される額」の差が開きます。住民税側の計算は住民税の住宅ローン控除で詳しく説明しています。

金利が違うと合計はどう変わる?

控除額は年末残高で決まるため、金利が高いほど元金の減り方が遅く、年末残高が大きく残ります。4000万円・35年・ZEH水準省エネ住宅で金利だけを変えると、13年間の合計は金利0.5%で2,914,300円、1%で2,949,900円、1.5%で2,984,200円です(金利は計算のための仮定)。

金利が高いほど控除額は少し増えますが、その差は利息の増え方に比べてごく小さなものです。省エネ基準適合住宅では、どの金利でも毎年限度額に届くため1,820,000円で変わりません。控除額と利息を同じ年で比べる考え方は控除と利息の比較(逆ざや)で説明しています。

13年間の合計を当てにしすぎないための注意点

  • 毎年の要件:年末まで住んでいること、合計所得金額の上限など、要件を満たさない年は控除がありません。
  • 繰上返済・借り換え:年末残高が変わるため、控除額も変わります。借り換えで控除期間が延びることはありません。
  • 所得の変化:育児休業や転職で所得税額が下がれば、実際に控除される額も減ります。
  • 制度の変更:本記事の数字は国税庁の令和8年4月1日現在法令等にもとづきます。入居前に最新の制度を確認してください。

控除の合計は、家計の計画では「受けられる見込みの上限」として扱い、毎月の返済は控除がなくても成り立つ水準にしておくと安心です。

また、控除は入居の翌年以降に、年1回の確定申告や年末調整でまとめて反映されます。13年間の合計を月割りにして返済額から差し引いて考えると、反映の時期とのずれで手元資金が足りなくなることもあります。

控除額の推移を年ごとに見る

合計だけでなく、年ごとの推移も大切です。4000万円・ZEH水準の例では、1〜5年目は限度額の245,000円、6年目からは残高×0.7%が限度額を下回り、その額が控除額になって少しずつ減っていきます。認定住宅では1年目から残高×0.7%が限度額31.5万円を下回るため、毎年少しずつ減っていきます。

家計への影響を考えるときは、控除が多い前半と、控除が終わる14年目以降の差も見ておきましょう。控除の計算方法と区分ごとの年ごとの推移は住宅ローン控除の計算方法でも紹介しています。

4000万円・ZEH水準の年ごとの控除額
  1. 2026年245,000円
  2. 2027年245,000円
  3. 2028年245,000円
  4. 2029年245,000円
  5. 2030年245,000円
  6. 2031年241,000円
  7. 2032年233,900円
  8. 2033年226,700円
  9. 2034年219,500円
  10. 2035年212,100円
  11. 2036年204,700円
  12. 2037年197,300円
  13. 2038年189,700円

2026年4月入居・新築・35年・金利1%・元利均等、特例対象個人に当たらない場合。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
4000万円・ZEH水準の年ごとの控除額
年年末残高控除額
2026年39,361,483円245,000円
2027年38,395,692円245,000円
2028年37,420,199円245,000円
2029年36,434,907円245,000円
2030年35,439,715円245,000円
2031年34,434,528円241,000円
2032年33,419,242円233,900円
2033年32,393,757円226,700円
2034年31,357,971円219,500円
2035年30,311,778円212,100円
2036年29,255,074円204,700円
2037年28,187,755円197,300円
2038年27,109,713円189,700円

自分の借入額で13年間の合計を試算する

住宅ローン控除シミュレーションに借入額・返済期間・金利・住宅の区分・入居年月を入れると、13年間(または10年間)の控除額の合計と年ごとの内訳が表示されます。毎年の所得税額と課税総所得金額等を入れると、所得税と住民税から実際に控除される額の合計も分かります。

借入額そのものを考えるときは、返済予算シミュレーションで月々の返済予算から元金の目安を出し、4000万円の返済表などで総返済額も確認してください。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。