この記事のポイント
- 各年の控除額は、年末残高等×0.7%と控除限度額のうち小さい方です。
- 2026年入居の新築等は、認定住宅31.5万円・ZEH水準24.5万円・省エネ基準14万円が各年の限度額です。
- 4000万円・35年・1%のZEH水準省エネ住宅では、13年の控除額の合計は2,949,900円です。
- 所得税で引ききれない額は、課税総所得金額等の5%(97,500円が上限)まで住民税から控除されます。
控除額は「年末残高等×0.7%」と「控除限度額」の小さい方
住宅ローン控除は、住宅ローンの年末残高をもとに計算した金額を、所得税から差し引く制度です。国税庁の解説では、各年の控除額は年末残高等×0.7%で、住宅の区分と入居した年ごとに決まった控除限度額が上限になります。100円未満の端数は切り捨てます。
「年末残高等」は、住宅ローンの年末残高と、住宅の取得対価のうち少ない方です。補助金を受けた場合などは取得対価から差し引くため、借入額が多くても、取得対価が基準になる場合があります。
入居年と住宅の区分で、控除期間と限度額が変わる
国税庁タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)によると、2026年(令和8年)に新築等の住宅へ入居した場合、認定住宅は13年・年31.5万円、ZEH水準省エネ住宅は13年・年24.5万円、省エネ基準適合住宅は13年・年14万円が控除限度額です。省エネ基準を満たさない「その他の住宅」は、建築確認の時期などの経過措置に当たらなければ対象外です。
中古住宅の場合、2026年以降の入居では認定住宅とZEH水準省エネ住宅が13年・年24.5万円、省エネ基準適合住宅が13年・年14万円、その他の住宅が10年・年14万円です。子育て世帯・若者夫婦世帯(特例対象個人)は、一部の区分で限度額が上乗せされます。
控除期間はいずれも13年。特例対象個人の上乗せは含みません(令和8年4月1日現在法令等)。
出典:国税庁:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
グラフの数値を表で見る
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 認定住宅等 | 31.5万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 24.5万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 14万円 |
4000万円・35年・金利1%の計算例
2026年4月に4000万円を借りて入居し、翌月から35年・金利1%の元利均等で返済すると仮定します。1年目の年末残高は39,361,483円で、0.7%は275,500円です。
| 住宅の区分 | 控除期間 | 各年の限度額 | 控除額の合計 |
|---|---|---|---|
| 新築・認定住宅 | 13年 | 315,000円 | 3,034,000円 |
| 新築・ZEH水準省エネ住宅 | 13年 | 245,000円 | 2,949,900円 |
| 新築・省エネ基準適合住宅 | 13年 | 140,000円 | 1,820,000円 |
| 中古・その他の住宅 | 10年 | 140,000円 | 1,400,000円 |
認定住宅では、年末残高×0.7%が1年目から限度額の31.5万円を下回るため、残高の減少に合わせて控除額も毎年小さくなります。ZEH水準省エネ住宅では5年目まで限度額の24.5万円で、6年目から0.7%の額(241,000円)が下回ります。
新築・ZEH水準省エネ住宅、特例対象個人に当たらない場合。所得税額による上限は考慮していません。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 年 | 年末残高 | 控除額 |
|---|---|---|
| 2026年 | 39,361,483円 | 245,000円 |
| 2027年 | 38,395,692円 | 245,000円 |
| 2028年 | 37,420,199円 | 245,000円 |
| 2029年 | 36,434,907円 | 245,000円 |
| 2030年 | 35,439,715円 | 245,000円 |
| 2031年 | 34,434,528円 | 241,000円 |
| 2032年 | 33,419,242円 | 233,900円 |
| 2033年 | 32,393,757円 | 226,700円 |
| 2034年 | 31,357,971円 | 219,500円 |
| 2035年 | 30,311,778円 | 212,100円 |
| 2036年 | 29,255,074円 | 204,700円 |
| 2037年 | 28,187,755円 | 197,300円 |
| 2038年 | 27,109,713円 | 189,700円 |
実際に控除されるのは納めた税額まで
控除額は、その年の所得税額を超えて戻ってくるわけではありません。上のZEH水準省エネ住宅の例で、毎年の所得税額が15万円なら、所得税から控除できるのは13年で合計195万円です。所得税で控除しきれなかった額は、前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(97,500円が上限)まで、翌年度の住民税から差し引かれます(総務省の説明)。この例で課税総所得金額等が250万円なら、各年の上限は97,500円で、住民税からの控除は13年で合計999,900円、所得税と合わせて2,949,900円全額が控除される計算です。市区町村への申告は不要です。
また、控除を受けるには、床面積が50平方メートル以上(一定の場合は40平方メートル以上)、合計所得金額が2,000万円以下(同じく1,000万円以下)、10年以上の分割返済の借入金であることなどの要件があります。初年度は確定申告が必要で、給与所得者は2年目以降を年末調整で受けられます。
自分の条件で試算する
住宅ローン控除シミュレーションでは、借入額・返済期間・金利・住宅の区分・入居年と月を入れると、年ごとの年末残高と控除額を計算します。所得税額と課税総所得金額等を入れると、所得税から控除できる額と、翌年度の住民税から控除できる額も表示します。
繰上返済をすると年末残高が減り、控除額も小さくなる場合があります。繰り上げ返済シミュレーションで減る利息と見比べるときは、控除額の変化も合わせて確認してください。最終的な控除額は、金融機関が発行する年末残高等証明書と確定申告・年末調整で確定します。
参照した情報
- 国税庁:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
- 国税庁:No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
- 総務省:個人住民税の住宅ローン控除(所得税から住宅ローン控除額を引ききれなかった方)
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。