諸費用と契約

つなぎ融資とは?注文住宅で必要になる理由と利息の計算

住宅ローンの資金を受け取る前に支払いが必要になるときの「つなぎ融資」を、手続の順序から説明。借入額・日数・金利から利息を計算する方法と、2回に分けて借りる場合の例を示します。

この記事のポイント

  • 住宅ローンの資金は手続の最後に受け取るため、それより前の支払いにつなぎ融資が必要になります。
  • 日割りの利息は借入額×年利×日数÷365で、1,000万円・年3.0%なら120日で98,630円です。
  • 着工金と中間金を必要な時期に分けて借りると、例では利息は221,917円で済みます。
  • 利息のほかに手数料や印紙税がかかることがあり、工期が延びると利息も増えます。

つなぎ融資とは:住宅ローンの資金を受け取るまでの一時的な借入れ

この記事では、住宅ローンの資金を受け取る前に必要になる支払いのために、一時的に借りるお金を「つなぎ融資」と呼んで説明します。住宅ローンの資金が実際に支払われるのは手続の最後の段階なので、それより前に建築会社や売主への支払いがある場合、その間を埋めるお金が必要になります。

つなぎ融資の有無、金利、手数料、利息の計算方法や支払時期は、金融機関や商品によって異なります。この記事の金利や日数は計算の手順を示すための仮の値で、特定の商品の条件ではありません。見積りを受け取ったら、その条件で計算し直してください。

つなぎ融資を使うかどうかは、資金の受取りより前に払うお金がいくらあり、そのうち自己資金でまかなえるのがいくらかで決まります。支払いの時期や回数を建築会社と相談できるか、自己資金を前倒しで使えるかなど、借りる以外の方法も含めて検討すると、利息と手数料を抑えられる場合があります。

なぜ必要になる?住宅ローンの資金の受取りは手続の最後

住宅金融支援機構が公開している【フラット35】の新築住宅を購入する場合の手続では、設計検査、借入れの申込み、中間現場検査、竣工現場検査と進み、適合証明書が交付された後に借入れの契約と資金の受取りが行われます。つまり、住宅ローンの資金は建物が完成し、検査に合格した後に受け取る流れです。

一方、注文住宅では、工事の契約時や着工時、工事の途中に代金の一部を支払う取り決めになっていることがあります。支払いの回数と時期は、工事請負契約書の支払条件で決まります。自己資金でまかなえない支払いが資金の受取りより前にある場合に、つなぎ融資や、それに代わる資金の手当てが必要になります。

つなぎ融資の利息を計算する:借入額×金利×日数÷365

つなぎ融資の利息を日割りで計算する場合の考え方は、「借入額×年利×借りている日数÷365」です。実際の計算の基準(1年を365日とするか、端数をどう扱うか)は契約によって異なるので、ここでは1年を365日、1円未満を切り捨てとして計算します。

つなぎ融資の利息の計算例(仮の金利・日数)
借入額金利日数利息
1,000万円年3.0%120日98,630円
1,000万円年3.0%180日147,945円
2,000万円年3.0%120日197,260円
1,200万円年2.5%150日123,287円

同じ1,000万円でも、借りている日数が120日から180日に延びると利息は約5万円増えます。工事の遅れなどで資金の受取りが後ろにずれると、その分だけ利息が増える点に注意してください。

着工金と中間金で2回に分けて借りる場合

支払いが複数回ある場合は、それぞれの借入額と日数で計算して合計します。計算例として、着工時に1,000万円を借りて資金の受取りまで180日、中間金として1,000万円を借りて90日とし、どちらも年3.0%(仮の値)とします。

着工金と中間金を借りる場合の利息(年3.0%・365日で計算)
借入れ借入額日数利息
着工金1,000万円180日147,945円
中間金1,000万円90日73,972円
合計2,000万円—221,917円

2,000万円をまとめて180日借りた場合の利息は295,890円(147,945円×2)になるので、必要な時期に必要な分だけ借りる方が利息は小さくなります。ただし、借りるたびに手数料がかかる契約もあるため、利息と手数料の合計で比べます。

利息以外にかかる費用:手数料・印紙税など

つなぎ融資では、利息のほかに事務手数料などがかかることがあります。また、つなぎ融資の契約書が金銭消費貸借契約書にあたる場合は、国税庁の税額表(令和8年4月1日現在法令等)で記載金額に応じた印紙税がかかります。記載金額が500万円を超え1千万円以下なら1万円、1千万円を超え5千万円以下なら2万円です。

利息を毎月払うのか、住宅ローンの資金を受け取ったときにまとめて差し引かれるのかも、契約によって異なります。まとめて差し引かれる場合は、住宅ローンの資金のうち建築会社に支払える金額がその分少なくなるため、最終的な支払いに自己資金が必要になることがあります。印紙税の詳細は住宅ローン契約の印紙税へ。

住宅ローン本体と比べた利息の大きさ

つなぎ融資の利息は、住宅ローン本体の返済とは別に払う費用です。計算例として、住宅ローン本体を4,000万円・35年・年1.0%(仮の値)で借りると、毎月の返済額は112,915円、最初の月の利息は33,333円です。これに対し、前の例のつなぎ融資の利息は合計221,917円で、本体の最初の月の利息の6か月分以上にあたります。

金額だけを見ると大きくない印象でも、引越しや家具の購入と時期が重なるため、資金計画の中に明確に入れておく必要があります。住宅購入で必要な現金の全体は住宅購入で必要な現金で整理できます。

本体4,000万円・35年・年1.0%の年ごとの元金と利息
  1. 1年目利息29%
  2. 5年目利息26%
  3. 10年目利息23%
  4. 15年目利息19%
  5. 20年目利息14%
  6. 25年目利息10%
  7. 30年目利息5%
  8. 35年目利息1%
  • 元金
  • 利息

つなぎ融資の利息(例では221,917円)はこの返済とは別にかかります。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
本体4,000万円・35年・年1.0%の年ごとの元金と利息
年元金利息年間返済額
1年目959,375円395,605円1,354,980円
5年目998,512円356,468円1,354,980円
10年目1,049,685円305,295円1,354,980円
15年目1,103,481円251,499円1,354,980円
20年目1,160,032円194,948円1,354,980円
25年目1,219,484円135,496円1,354,980円
30年目1,281,981円72,999円1,354,980円
35年目1,347,058円7,299円1,354,357円

資金の受取時期と金利の関係にも注意

【フラット35】のご利用条件では、借入金利は申込時ではなく資金受取時の金利となり、資金の受取日は取扱金融機関の定める日とされています。注文住宅は申込みから建物の完成まで時間がかかるため、その間に住宅ローン本体の金利が変わる可能性もあります。

工期が延びると、つなぎ融資の利息が増えるだけでなく、本体の金利が決まる時期もずれます。本体の金利が0.1ポイント違うと返済額がどれだけ変わるかは融資実行日と初回返済で計算しています。

支払予定表を作って、本体の返済額も確かめる

工事請負契約書の支払条件をもとに、「いつ・いくら支払うか」「そのうち自己資金で払う額と借りる額」「資金の受取予定日」を一覧にすると、つなぎ融資の借入額と日数が決まり、利息を計算できます。住宅ローン本体については、金利上昇シミュレーションに借入額・返済期間・金利を入れ、資金の受取時に金利が上がった場合の返済額も確かめておきましょう。手続き全体の流れは事前審査から融資実行までの流れで整理しています。

つなぎ融資の利息は本サイトのツールでは計算しないため、この記事の式(借入額×年利×日数÷365)で概算し、見積りの金額と照らし合わせてください。見積りの利息と大きく違う場合は、日数の数え方や手数料の扱いなど、計算の前提を金融機関に確認します。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。