諸費用と契約

住宅ローンの諸費用一覧:手数料・保証料・印紙税・登記費用

住宅ローンを組むときにかかる手数料・保証料・印紙税・登録免許税・保険料を、金額の決まり方と確認先で整理。物件価格4,000万円の計算例で諸費用の目安を示します。

この記事のポイント

  • 諸費用の合計は物件価格の5〜10%程度が一般的で、4,000万円の物件なら200万〜400万円の幅です。
  • 印紙税と登録免許税は税額表で決まり、4,000万円の計算例では合計しても数万円台です。
  • 差の大部分は融資手数料・保証料・司法書士報酬・保険料など見積りで決まる項目です。
  • 諸費用を借入れに含めると利息がかかるため、返済額だけでなく諸費用込みの総額で比べます。

住宅ローンの諸費用には何がある?まず4つのグループで把握する

住宅ローンの諸費用は、大きく「税金」「手数料・保証料」「保険料」「その他(引越しや家具など)」に分けると整理しやすくなります。全国銀行協会の解説では、諸費用の合計はケースバイケースとしつつ、物件価格の5〜10%程度が一般的とされています。物件価格4,000万円なら、計算上は200万〜400万円の幅です。

幅が大きいのは、税金のように法律で決まる項目と、手数料や保険料のように金融機関・保険会社ごとに違う項目が混ざっているためです。下の表で、項目ごとに「何で決まるか」と「どこで確認するか」を分けておきます。

住宅ローンの主な諸費用と確認先
項目何で金額が決まるか確認先
印紙税契約書に書かれた金額(税額表)国税庁の税額表・金融機関
登録免許税登記の種類と税率、軽減の要件司法書士・法務局
融資手数料金融機関ごとの金額・取り方金融機関の見積書
保証料金融機関が指定する保証会社金融機関の見積書
司法書士報酬依頼する司法書士司法書士の見積書
団信・火災保険など商品・保険会社・住宅の条件金融機関・保険会社

税金:印紙税と登録免許税は契約額と登記の種類で決まる

住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)には印紙税がかかります。国税庁の税額表(令和8年4月1日現在法令等)では、消費貸借に関する契約書の記載金額が1千万円を超え5千万円以下なら2万円です。不動産の売買契約書は令和9年3月31日までに作成されるものについて税額が軽減されており、記載金額4,000万円なら1万円です。詳しい税額表は住宅ローン契約の印紙税で整理しています。

抵当権の設定登記には登録免許税がかかります。自分が住む住宅用家屋を新築・取得するための借入れについては、令和9年3月31日までの登記で軽減税率1,000分の1が設けられています(床面積などの要件あり)。要件と計算は抵当権設定登記の登録免許税へ。このほか、物件の取得には不動産取得税、所有している間は固定資産税がかかり、新規購入の固定資産税は引渡日を基準に日割りで精算するのが一般的と全国銀行協会は説明しています。

金銭消費貸借契約書の印紙税額(記載金額別)
  1. 500万円超1千万円以下1万円
  2. 1千万円超5千万円以下2万円
  3. 5千万円超1億円以下6万円
  4. 1億円超5億円以下10万円

消費貸借に関する契約書(第1号文書)の1通または1冊あたりの税額。
出典:国税庁:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

グラフの数値を表で見る
金銭消費貸借契約書の印紙税額(記載金額別)
項目値
500万円超1千万円以下1万円
1千万円超5千万円以下2万円
5千万円超1億円以下6万円
1億円超5億円以下10万円

手数料・保証料:金融機関によって金額も取り方も違う

融資手数料(事務手数料)は、金融機関等によって金額や徴収方法が異なります。借入額に比例する方式と一定額の方式があり、同じ金利表示でも総額は変わります。比べ方は融資手数料の定率型と定額型で計算しています。

保証料は、連帯保証人を立てない代わりに保証会社に保証人になってもらうための費用で、金融機関等が指定する保証会社によって金額が異なります。一方、【フラット35】のご利用条件(2026年4月1日現在)では保証人・保証料・繰上返済手数料は必要なく、融資手数料は取扱金融機関により異なり、物件検査手数料と合わせて利用者の負担とされています。登記を司法書士に依頼すれば司法書士報酬もかかります。同じ「保証料」という項目でも、借入時にまとめて払うのか、別の形で払うのかは契約によって異なるため、見積書の注記まで読みます。

保険料:団信と火災保険は融資の条件と結びつく

全国銀行協会は、住宅ローンの申込みに際して団体信用生命保険をはじめとする保険への加入が義務づけられたり推奨されたりすると説明しています。代表例は団体信用生命保険、火災保険、地震保険、債務返済支援保険で、火災保険の保険料は商品や保険会社によって、地震保険の保険料は住む地域や住宅の構造などによって異なります。

【フラット35】では、返済終了までの間、借入対象の住宅に火災保険(または法律の規定による火災共済)への加入が必要で、保険料は利用者の負担です。地震保険は任意です。団信は健康上の理由などで加入しない場合も【フラット35】を利用できますが、加入する団信の種類などで借入金利が異なります。【フラット35】では、火災保険の保険期間と保険料の払込方法は取扱金融機関により異なるとされています。払込方法によっては最初に出ていくお金が大きくなる場合もあるため、見積りでは金額と払込期間を一緒に確認します。

諸費用はいつ払う?支払いの時期で並べ直す

諸費用は一度にまとめて払うわけではありません。時期ごとに並べると、いつまでにいくら現金が必要かが見えます。【フラット35】の新築住宅購入の手続では、借入れの契約、資金の受取り、登記、抵当権の設定、火災保険への加入が同じ段階で行われる流れになっています。

諸費用を支払う時期の例(物件や契約によって異なります)
時期主な費用確認すること
売買・工事の契約時売買契約書・工事請負契約書の印紙税契約書の記載金額
ローンの申込み・契約時ローン契約書の印紙税、融資手数料、保証料金融機関の見積書と支払日
資金の受取り・登記の時登録免許税、司法書士報酬、火災保険料登記の種類と保険の払込方法
引渡し・入居の前後固定資産税の精算、引越し代、家具など精算の基準日と家計の予備資金

不動産取得税は、国土交通省の案内では、認定長期優良住宅の特例を受けるには都道府県の条例で定めるところにより申告するとされています。申告や納付の時期は都道府県の案内で確認し、入居後の数か月の資金計画にも余裕を残しておきます。

計算例:4,000万円の物件で、税額表で決まる項目を先に入れる

計算例として、物件価格4,000万円、借入額3,600万円、返済期間35年、金利年1.0%(仮の値)とします。毎月の返済額は101,623円、35年間の返済総額は42,681,328円です。この返済額には諸費用は入っていません。

物件価格4,000万円・借入額3,600万円の計算例(仮の条件)
項目金額の例計算の根拠
ローン契約書の印紙税20,000円記載金額1千万円超5千万円以下
売買契約書の印紙税10,000円軽減後の税額(記載金額4,000万円)
抵当権設定の登録免許税36,000円税率を掛ける金額を仮に3,600万円とした場合の1,000分の1
融資手数料・保証料・司法書士報酬・保険料見積書で確認金融機関・保険会社・司法書士ごとに異なる

税額表で決まる項目は合計しても数万円台ですが、諸費用全体の目安は200万〜400万円です。差の大部分は見積りで決まる項目なので、早めに見積書を取り寄せることが総額を固める近道です。登録免許税の税率を掛ける金額(課税標準)は司法書士や登記所に確認してください。

諸費用は現金で払う?借入れに含める?総額で比べる

全国銀行協会の解説は、頭金を貯める場合は諸費用も含めて物件価格の2〜3割の自己資金を貯めるようにしたほうがよいとしています。【フラット35】の借入額は建設費または購入価額以内とされており、どの費用まで借入対象にできるかは取扱金融機関に確認が必要です。

諸費用を借入れに含めると手元の現金は残りますが、その分の利息がかかります。逆に現金で払うと、引越し後の生活費や予備資金が薄くなることがあります。同じ解説は、返済額だけでなく諸費用を含めたトータルの支払額で住宅ローンを比較することが大切だとしています。必要な現金の合計は住宅購入で必要な現金で計算しています。

見積書の金額を入れて総額を確かめる

候補ごとに見積書をそろえたら、手数料・保証料・登記費用の合計を出し、毎月の返済とは別の「最初に払うお金」として記録します。借り換えを検討している場合は、借り換えの比較の「借り換え諸費用の合計」にその金額を入れると、費用込みの総額で比べられます。新規の借入額を返済予算から確認したい場合は返済予算からの逆算に、毎月の返済予算・返済期間・金利を入れてください。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。