金利の読み方

変動金利はいつ上がる?金利の見直しと返済額が変わる時期

変動金利の適用金利が見直される時期と、毎月の返済額が変わる時期は別々です。基準日・適用開始日・反映月の読み方と、5年ルールの有無で残高や総額がどう違うかを3,200万円の例で計算します。

この記事のポイント

  • 全国銀行協会の解説では、変動金利は通常半年ごと、元利均等の返済額は通常5年ごとに見直されます。
  • 通知では、見直しの基準日、新しい利率の適用開始日、返済に反映される月の3つを区別します。
  • 3,200万円の例では、5年ルールがあると60回返済後の残高が約35万円多く、総額も70,728円多くなりました。
  • 2026年1月調査では、返済額の変わり方のルールに不安や理解不足がある人が合わせて47.2%でした。

変動金利の見直しは「金利」と「返済額」で時期が違う

全国銀行協会の解説では、変動金利型の金利は経済情勢などに応じて通常半年ごとに見直され、毎回の返済額は元利均等返済なら通常5年ごと、元金均等返済なら通常金利の変動とともに見直されるとされています。つまり「金利が上がる時期」と「引落額が増える時期」は、同じとは限りません。

ただし、これは一般的な説明です。金利の見直しを毎月行う商品もあれば、5年ルールを設けずに金利の上昇に応じて返済額を見直す商品もあります。自分の契約がどれに当たるかで、上がる時期の答えは変わります。

通知で確認したい3つの日付

金利の見直しを知らせる書面には、似た日付がいくつも出てきます。次の3つを区別すると、いつから負担が変わるかが読み取れます。

  1. 見直しの基準日:どの時点の基準金利を使うかを決める日
  2. 新しい利率の適用開始日:利息の計算に新しい金利が使われ始める日
  3. 返済額に反映される約定返済日:引落額が実際に変わる月

三菱UFJ銀行のお知らせでは、2025年4月1日を基準日とした見直しについて、次のように示されていました。

三菱UFJ銀行の変動金利の見直し例(2025年4月1日基準)
金利の種類新利率の適用開始返済への反映
変動金利(毎月型)2025年5月の返済日の翌日2025年6月の約定返済分から
変動金利(年2回型)2025年6月の返済日の翌日2025年7月の約定返済分から

同じ銀行でも、変動金利の種類によって反映月が1か月ずれています。他行の契約にこの日付を当てはめることはできないため、自分の通知で確認してください。

返済額が変わるタイミングは返済方式と商品で決まる

同じお知らせでは、変動金利・元利均等返済で借りている場合、10月1日を基準とした5年間は返済額が変わらず、返済額のうち元金分と利息分の割合が変わると説明されています。元金均等返済には5年ルール・125%ルールはないとも明記されています。

一方、PayPay銀行は、同行の住宅ローンには5年ルールも125%ルールもなく、金利が上昇した場合はその上昇幅に応じて返済額を見直すと案内しています。つまり、同じ「変動金利」でも、金利上昇がすぐ引落額に表れる契約と、5年間は表れない契約があります。どちらの仕組みかは、契約書や返済予定表、金融機関の説明で確かめるのが確実です。

計算例:1年後に0.5ポイント上がったとき、5年ルールの有無で何が違う?

計算例として、残高3,200万円・残り33年(396回)・適用金利0.7%のローンが、13回目から1.2%になったと仮定します。数字は説明用で、予測ではありません。本サイトの変動金利と固定金利の比較の仕組みで、返済額をすぐ再計算する場合と、5年ルール・125%ルールで見直す場合を比べました。

残高3,200万円・396回・0.7%から13回目に1.2%へ上昇した場合
項目金利が変わるたびに再計算5年ルール・125%ルールあり
1〜12回目の返済額90,524円90,524円
13〜60回目の返済額97,682円90,524円
61回目以降の返済額97,682円98,916円
60回返済後の残高27,864,418円28,216,204円
残りの総返済額38,595,920円38,666,648円

5年ルールがある場合、5年目までの引落額は増えませんが、元金の減り方が遅くなり、60回返済後の残高は約35万円多く残ります。その結果、6年目以降の返済額は再計算型より高くなり、総額も70,728円多くなっています。

据え置き期間中に起きていること

同じ例で最初の月の利息を比べると、残高3,200万円に対して0.7%なら18,666円、1.2%なら32,000円です。返済額90,524円が同じなら、元金に回る額は71,858円から58,524円に減ります。全国銀行協会の解説も、返済額の見直しが5年ごとになっていると、金利が上昇したときに返済額に占める利息の割合が高くなり、元金があまり減らないことがあると説明しています。

さらに金利が大きく上がって、利息が返済額を上回ると未払利息が生じる可能性があります。そこまで至る条件は未払利息の解説で計算しています。引落額が同じあいだも、年1回程度は返済予定表で残高の減り方を確認しておくと安心です。

金利が下がった場合も仕組みは同じ

見直しの仕組みは、金利が下がるときにも働きます。全国銀行協会の解説では、適用金利が下がれば将来の返済額は少なくなるとされています。5年ルールがある契約では、金利が下がっても引落額はすぐには減らず、その分元金の返済が進むことになります。

いずれの方向でも、見直しの時期を知っていれば、家計の予定に「この月から変わるかもしれない」と書き込めます。通知が届いたら、基準日・適用開始日・反映月をメモし、返済予定表の読み方に沿って残高と残り回数を同じ基準日でそろえておきましょう。

見直しのルールを把握していない人は少なくない

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)」では、2025年4月〜9月に住宅ローンを借りた変動型・固定期間選択型の利用者1,112人に、金利リスクの理解度を尋ねています。「将来、金利が上昇した場合に、返済額がどのようなルールで変わるか(5年・125%ルールなど)」について、「理解しているか少し不安」が34.1%、「よく理解していない」が9.3%、「全く理解していない」が3.8%で、合わせて47.2%でした。

借りたときに説明を受けていても、数年たつと細かい条件は忘れやすいものです。見直しの時期とルールを一度書き出しておくと、金利変更の通知が届いたときに、何がいつ変わるのかをすぐ判断できます。この調査の読み方は変動金利の利用割合と利用者調査でも紹介しています。

返済額が変わるルールの理解度(2026年1月調査)
  1. 理解しているか少し不安34.1%
  2. よく理解していない9.3%
  3. 全く理解していない3.8%

変動型・固定期間選択型の利用者1,112人の回答のうち、不安や理解不足を示す3つの選択肢の割合。
出典:住宅金融支援機構:住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)

グラフの数値を表で見る
返済額が変わるルールの理解度(2026年1月調査)
項目値
理解しているか少し不安34.1%
よく理解していない9.3%
全く理解していない3.8%

見直し後の返済額を自分で試算する

通知に書かれた新しい適用金利が分かったら、金利上昇シミュレーションで、ローン残高・残りの返済期間・現在の金利・比べたい金利(新しい金利)を入れてください。返済額をすぐ再計算した場合の毎月と残り総額の差が分かります。

5年ルール・125%ルールがある契約の動きを確かめたい場合は、変動金利と固定金利の比較で「返済額の見直し方法」を切り替えると、見直し方法の違いによる総額や最終回の上乗せ額を比べられます。実際の改定額は金融機関の返済予定表で確認してください。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。