金利上昇への備え

金利上昇で総返済額はいくら増える?残り期間による違い

金利が上がったとき、残りの総返済額はいくら増えるのかを、残高2,500万円・残り10〜35年で計算しました。毎月の増加はほぼ同じでも総額の増加は大きく違う理由と、上がる時期による違いも確認します。

この記事のポイント

  • 残高2,500万円・1.0%が2.0%になると、残り35年なら総額5,142,543円、残り10年なら1,322,795円増えます。
  • 毎月の増加は残り期間でほとんど変わらなくても、総額の増加は残り期間が長いほど大きくなります。
  • 金利が上がる時期が1年後か10年後かで、総額の増加に2,216,678円の差が出ました。
  • 5年ルール・125%ルールは増加を先送りする仕組みで、総返済額を減らすものではありません。

残り35年なら、1ポイントの上昇で総額は約514万円増える

計算例として、残高2,500万円・適用金利1.0%のローンで、金利が2.0%に上がり残り期間ずっと続く場合、残り35年なら総返済額は5,142,543円増えます。同じ残高でも残り10年なら1,322,795円の増加です。毎月の増加は11,023円と12,244円で大きくは違わないのに、総額の増加は約3.9倍の差になります。

金利は説明用の仮の数字で、予測ではありません。総額の増加を左右するのは、残高と上昇幅に加えて、「あと何年払うか」です。このページでは、残り期間ごとの総額の増え方と、金利が上がる時期による違いを計算します。毎月の増加額を中心に知りたい方は金利が1%上がった場合の計算も参考にしてください。

残り期間別:0.5ポイント・1ポイント上昇時の増加額

残高2,500万円・現在1.0%で、上がった金利が残り期間ずっと続き、すぐに返済額を計算し直すと仮定した試算です。

残高2,500万円・現在1.0%、元利均等・毎月返済
残り期間1.0%のままの総額1.5%:毎月/総額の増加2.0%:毎月/総額の増加
10年26,281,170円+5,468円/+656,220円+11,023円/+1,322,795円
15年26,932,158円+5,562円/+1,001,176円+11,254円/+2,025,597円
20年27,593,508円+5,663円/+1,359,048円+11,497円/+2,759,332円
25年28,265,241円+5,766円/+1,729,733円+11,745円/+3,523,606円
30年28,947,331円+5,871円/+2,113,174円+11,995円/+4,318,167円
35年29,639,691円+5,975円/+2,509,285円+12,244円/+5,142,543円

残り期間が5年延びるごとに、1ポイント上昇時の総額の増加は約70万〜82万円ずつ大きくなっています。

なぜ毎月はほぼ同じなのに、総額は大きく違うのか

毎月の増加額は、残り10年でも35年でも1万1千〜1万2千円台で、残り期間による違いはわずかです。それでも総額の増加が大きく違うのは、主に2つの理由によります。

  1. 増えた返済額を払う回数が違う:残り10年なら120回、35年なら420回払います。
  2. 残高が高い期間の長さが違う:残り期間が長いと元金の減り方がゆっくりで、高い残高に上がった金利がかかる期間が長く続きます。

つまり、同じ上昇幅でも、返済を始めて間もない人ほど総額への影響は大きく、完済が近い人ほど小さくなります。毎月の負担と総額を分けて読む考え方は月々の返済額と総支払額の解説でも説明しています。

0.5ポイントの上昇でも、残り期間が長いと総額は大きい

表の0.5ポイント上昇の列を見ると、残り35年では総額が2,509,285円増えます。これは、残り10年で1ポイント上昇した場合(1,322,795円)のほぼ2倍です。上昇幅が小さくても、残り期間が長ければ総額への影響は大きくなるということです。

逆に、残り期間が短い場合は、毎月の増加額に比べて総額の増加は控えめです。例えば残り10年・0.5ポイント上昇なら、毎月5,468円の増加に対して総額の増加は656,220円です。自分の残り期間に応じて、「毎月の家計」と「全体の負担」のどちらを優先して見るかを決めると、試算の結果を判断に結びつけやすくなります。

上がる時期によっても総額は変わる

残高2,500万円・残り35年・1.0%のローンで、金利が1.0%から2.0%に上がる時期だけを変えて比べました。本サイトの変動金利と固定金利の比較の仕組みで、金利が変わるたびに返済額を計算し直しています。

  • 1年後(13回目)から2.0%:総返済額34,495,608円(1.0%のままより4,855,917円多い)
  • 10年後(121回目)から2.0%:総返済額32,278,930円(同じく2,639,239円多い)

上がる時期が9年違うだけで、総額の差は2,216,678円です。10年後には残高が18,725,405円まで減っているため、上がった金利がかかる元金が少ないからです。金利上昇の総額への影響は、上昇幅と残り期間に加えて、そのときの残高で決まります。

2,500万円・35年:1年後に1.0%→2.0%
2,500万円・35年:1年後に1.0%→2.0%横軸は経過年数、縦軸は毎月の返済額。総返済額は固定2,964万円、変動シナリオ3,450万円。0万2.5万5万7.5万10万0年18年35年
  • 金利1%のまま
  • 1年ごとに+1(上限2%)

13回目から2.0%。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
2,500万円・35年:1年後に1.0%→2.0%
金利1%のまま1年ごとに+1(上限2%)
1年目70,572円70,572円
5年目70,572円82,474円
10年目70,572円82,474円
15年目70,572円82,474円
20年目70,572円82,474円
25年目70,572円82,474円
30年目70,572円82,474円
35年目70,572円82,474円
総返済額29,639,691円34,495,608円
2,500万円・35年:10年後に1.0%→2.0%
2,500万円・35年:10年後に1.0%→2.0%横軸は経過年数、縦軸は毎月の返済額。総返済額は固定2,964万円、変動シナリオ3,228万円。0万2万4万6万8万0年18年35年
  • 金利1%のまま
  • 10年ごとに+1(上限2%)

121回目から2.0%。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
2,500万円・35年:10年後に1.0%→2.0%
金利1%のまま10年ごとに+1(上限2%)
1年目70,572円70,572円
5年目70,572円70,572円
10年目70,572円70,572円
15年目70,572円79,369円
20年目70,572円79,369円
25年目70,572円79,369円
30年目70,572円79,369円
35年目70,572円79,369円
総返済額29,639,691円32,278,930円

5年ルールがあっても総額は減らない

5年ルール・125%ルールがある契約では、金利が上がっても引落額はしばらく変わりません。しかし、PayPay銀行の説明にあるとおり、これらのルールは返済額の増加を先送りする仕組みで、総返済額を減らしたり、金利上昇分の支払いを少なくしたりするものではありません。返済額が据え置かれている間は元本の返済ペースが遅くなり、総返済額はかえって増えることもあります。

このページの試算はすぐに返済額を計算し直す前提なので、ルールがある契約では、総額の増加はこれと同じか、やや大きくなる場合があります。ルールの有無による違いは5年ルールがない住宅ローンの解説で計算しています。

総額の増加を見たうえで考えられること

総額の増加が大きいと分かっても、すぐに何かをしなければならないわけではありません。ただ、残り期間が長く残高も大きい場合は、金利上昇の影響を受けやすい立場にあることを知っておく価値があります。

考えられる対応には、繰上返済で残高を減らす、固定金利への切り替えで将来の上昇の影響を止める、家計に余裕を作っておくといった方法があります。全国銀行協会のシミュレーターの案内にあるとおり、実際の返済額は借入れの時期や銀行によって異なり、手数料や保証料などが別にかかる場合もあります。どの方法も費用や手元資金との兼ね合いがあるため、条件を確認したうえで比べてください。

自分の残り期間で総額の増加を計算する

金利上昇シミュレーションに、返済予定表のローン残高、残りの返済期間、現在の適用金利を入れ、「比べたい金利」に上がった場合の金利を入れると、毎月の差と残り総額の差が表示されます。上昇幅ごとの比較表で、0.25ポイント刻みの総額も確かめられます。

繰上返済で残高を減らした場合の効果は繰り上げ返済シミュレーションで、繰り上げる額と時期を入れて比べてください。計算結果は特定の行動を勧めるものではなく、判断のための材料です。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。