繰上返済

繰上返済の手数料は元が取れる?減る利息と比べる計算

繰上返済の手数料と、繰上返済で減る利息を同じ条件で比較。残高2,500万円・残り25年の計算例で、100万円と10万円、今すぐと15年後、期間短縮型と返済額軽減型の差を示します。

この記事のポイント

  • 残高2,500万円・残り25年・1.2%で100万円を期間短縮すると、減る利息は340,968円です。
  • 手数料33,000円でも100万円なら差し引き307,968円減りますが、10万円では1,923円しか残りません。
  • 15年後に繰り上げると、100万円の期間短縮型でも減る利息は121,434円と約3分の1になります。
  • 手数料が回数ごとにかかる契約では、少額を何度も返すより回数をまとめる方が手数料は小さくなります。

繰上返済の手数料3.3万円でも、100万円の期間短縮なら差し引き約30.8万円減る

繰上返済の手数料が元を取れるかどうかは、「繰上返済で減る利息」と「手数料」を比べれば分かります。計算例として、残高2,500万円・残り25年(300回)・年1.2%(仮の値)の住宅ローンで、今すぐ100万円を期間短縮型で繰上返済すると、減る利息は340,968円です。手数料が33,000円なら、差し引き307,968円の負担減になります。

一方、繰上返済の額が10万円と小さいと、同じ手数料33,000円では差し引きの効果は1,923円しか残りません。手数料が元を取れるかは、繰上返済の額、時期、方式によって大きく変わります。手数料の金額は説明用の仮の値です。

繰上返済の手数料と最低金額は金融機関によって違う

全国銀行協会の解説では、繰上返済の手数料は1回あたり無料から数万円までの違いがあり、金融機関等によっては繰上返済の金額に10万円以上や100万円以上などの制限を設けている場合があるとされています。そのため、余裕資金をそのまま繰上返済に充てられないこともあります。

【フラット35】のご利用条件(2026年4月1日現在)では、繰上返済手数料は必要なく、一部繰上返済の金額は、インターネットサービス「住・My Note」での申込みなら10万円以上、取扱金融機関の窓口なら100万円以上です。自分の契約の手数料と最低金額は、契約書や金融機関のウェブサイトで確認します。

計算例:金額と手数料の組み合わせで差し引きの効果を見る

残高2,500万円・残り25年・年1.2%で、今すぐ繰上返済する場合の「減る利息−手数料」(差し引きの効果)を、本サイトの繰上返済の比較と同じ計算方法で求めました。

残高2,500万円・残り300回・年1.2%で今すぐ繰上返済した場合
繰上返済額・手数料期間短縮型(減る利息−手数料)返済額軽減型(減る利息−手数料)
100万円・手数料0円340,968円157,973円
100万円・手数料5,500円335,468円152,473円
100万円・手数料33,000円307,968円124,973円
10万円・手数料5,500円29,423円10,298円
10万円・手数料33,000円1,923円−17,202円

10万円を返済額軽減型で繰上返済し、手数料が33,000円かかると、減る利息15,798円より手数料が大きく、差し引きでは負担が増えます。少額の繰上返済ほど、手数料の割合が大きくなります。

残高2,500万円・残り300回・1.2%で今すぐ100万円
  1. 繰上返済なし395万円
  2. 期間短縮型361万円
  3. 返済額軽減型379万円

棒は利息の合計で、手数料33,000円は含みません。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
残高2,500万円・残り300回・1.2%で今すぐ100万円
方法利息の合計毎月の返済額返済期間
繰上返済なし3,949,434円96,499円25年
期間短縮型3,608,466円96,499円23年11か月
返済額軽減型3,791,461円92,639円25年

実行時期が遅いほど、減る利息は小さくなる

同じ金額でも、繰上返済が遅いほど残りの期間が短く、減る利息は小さくなります。同じローンで15年後(180回の返済後)に繰上返済する場合を計算すると、次のとおりです。

残高2,500万円・300回・年1.2%のローンで、180回返済後に繰上返済(手数料33,000円)
繰上返済額期間短縮型:減る利息差し引き返済額軽減型:減る利息差し引き
100万円121,434円88,434円61,681円28,681円
10万円12,718円−20,282円6,161円−26,839円

100万円の期間短縮型でも、今すぐなら減る利息は340,968円、15年後なら121,434円と、約3分の1になります。繰上返済した資金は元金に充てられ、その元金にかかるはずだった利息がなくなる仕組みなので、残りの期間が短いほど、なくなる利息も少なくなるわけです。返済の後半で手数料のかかる少額の繰上返済をすると、元が取れないことがある点に注意します。

同じローンで180回返済後に100万円繰上返済
  1. 繰上返済なし395万円
  2. 期間短縮型383万円
  3. 返済額軽減型389万円

棒は300回全体の利息の合計で、手数料33,000円は含みません。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
同じローンで180回返済後に100万円繰上返済
方法利息の合計毎月の返済額返済期間
繰上返済なし3,949,434円96,499円25年
期間短縮型3,828,000円96,499円24年1か月
返済額軽減型3,887,753円87,650円25年

期間短縮型と返済額軽減型:減る利息と月々の変化

全国銀行協会の解説では、繰上返済後の返済額を変えずに期間を短くするのが期間短縮型、期間を変えずに返済額を減らすのが返済額軽減型で、利息の軽減効果は期間短縮型の方が大きいとされています。前の表でも、同じ100万円で期間短縮型は返済額軽減型の2倍以上の利息が減っています。

一方、返済額軽減型では毎月の返済額が下がります。今すぐ100万円を繰上返済すると、毎月の返済額は96,499円から92,639円へ3,860円減ります(10万円なら386円減)。期間短縮型では毎月の返済額は変わらず、完済が13回早まります。どちらが合うかは、利息の総額を減らしたいのか、毎月の負担を軽くしたいのかで変わります。全国銀行協会の解説は、毎月の返済に余裕がない場合や、近い将来に教育費の負担増などが予想される場合には返済額軽減型も検討するよう勧めています。詳しくは期間短縮と返済額軽減の比較へ。

少額の繰上返済を何度もする場合

少額の繰上返済を何度も行う場合、手数料は回数分かかります。手数料が無料なら、早い時期に少しずつ返しても計算上の不利はありませんが、1回ごとに数千円から数万円の手数料がかかる契約では、回数をまとめて1回の金額を大きくした方が、手数料の負担は小さくなります。

前の表のとおり、10万円・手数料33,000円の繰上返済を10回繰り返すと手数料だけで33万円になり、100万円を1回で返す場合の手数料33,000円との差は大きくなります。その一方で、まとまった金額になるまで待つと、その間は繰上返済が遅れ、減る利息は小さくなります。手数料を減らす効果と、早く返す効果のどちらが大きいかは、手数料の額と金利によって違います。回数と手数料の考え方は少額の繰上返済でも扱います。

手元資金と、ほかの費用も合わせて考える

繰上返済に使ったお金は、元金の返済に充てられるため戻ってきません。全国銀行協会の解説は、繰上返済は収入の増加や臨時収入などで余裕資金が増えたときに行うのが有効としています。教育費や住宅の修繕など、近いうちに必要になるお金まで繰上返済に回すと、後で別の借入れが必要になることもあります。

また、住宅ローン控除を受けている場合は、繰上返済で年末残高が減ると控除額が変わることがあります。控除との関係は繰上返済と住宅ローン控除で扱っています。

自分の手数料で元が取れるかを計算する

繰上返済の比較に、残高・残りの返済期間・金利・繰上返済の額に加えて、「繰上返済の手数料」を入れると、期間短縮型と返済額軽減型のそれぞれで、手数料を含めた総額と減る利息が表示されます。「繰り上げる時期」を指定すれば、数年後に実行する場合の効果も確認できます。実行時期による違いは繰上返済はいつがいい?でも整理しています。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。