金利の読み方

長期金利が上がると固定金利はどうなる?フラット35の金利推移で確かめる

固定金利の基準金利は長期金利などの影響を受けるとされます。影響を受けるのは誰か、【フラット35】の金利推移資料の使い方、3,000万円・35年で固定金利が0.5ポイント違うと返済額がどう変わるかを整理します。

この記事のポイント

  • 固定金利の基準金利は長期金利などの影響を受け、影響が出るのはこれから金利が決まる人です。
  • 全期間固定で返済中の人は、市場の金利が動いても返済額は変わりません。
  • 3,000万円・35年では、固定金利が1.5%か2.0%かで毎月7,523円、総額3,159,897円違います。
  • 長期プライムレートは、住宅ローンの固定金利そのものではありません。

長期金利の動きは、これから決まる固定金利に影響する

三菱UFJ銀行の解説では、変動金利と固定金利では基準金利を決める際に参考にする金利指標が異なり、変動金利の基準金利は日本銀行の政策金利、固定金利の基準金利は長期金利などの影響を受けると整理されています。長期金利が上がる局面では、これから借りる人や、これから固定金利を選ぶ人の金利に影響する可能性があるということです。

一方、すでに固定金利で借りている人は、固定期間中の適用金利は変わりません。計算例(3,000万円・35年)では、固定金利が1.5%か2.0%かで毎月の返済額は7,523円、総額は3,159,897円違います。影響が出るのは「いつ金利が決まるか」によります。

影響を受けるのは誰か

長期金利の動きが返済額に関係するのは、主に次のような場面です。

  • これから固定金利で借りる人:契約時、または資金を受け取る時点の金利で全期間や固定期間の金利が決まります。
  • 固定期間が終わる人:全国銀行協会の解説にあるとおり、固定期間選択型は終了時にその時点の金利で金利タイプを選び直します。
  • 固定金利への切り替えや借り換えを考えている人:切り替える時点の固定金利が判断の材料になります。

反対に、全期間固定で返済中の人は、市場の金利が動いても返済額は変わりません。全国銀行協会も、全期間固定金利型は完済までの毎回の返済額が確定していると説明しています。ニュースで長期金利の上昇を見ても、自分がどの場面に当たるかで意味が変わります。返済中の全期間固定の方にとっては、金利が上がる局面はむしろ、固定金利を選んだことで返済額が守られている状態だと言えます。気にかけるべきなのは、これから金利が決まる予定があるかどうかです。

【フラット35】の金利推移は公式資料で確認する

全期間固定金利の水準が過去にどう動いたかを知る手がかりとして、住宅金融支援機構は「【フラット35】借入金利の推移」で、過去の借入金利を期間別のPDFとして公表しています。同ページには、掲載している金利は過去の推移であり、将来の金利を予測・約束するものではないという注記があります。

本サイトでは同サイトの利用規約に従い、金利の数値表は転載していません。資料の探し方と、自分の条件に合う区分の選び方はフラット35の金利推移の調べ方で説明しています。推移を見る目的は、金利がどのくらいの幅で動いてきたかを知り、試算に使う金利の範囲を極端すぎない形で決めることです。

計算例:固定金利の水準による返済額と総額の違い

計算例として、3,000万円を35年(420回)・全期間固定で借りる場合の返済額を、固定金利の水準別に並べました。金利は説明用の区切りで、実際の商品の金利ではありません。

3,000万円・35年・全期間固定・元利均等・毎月返済
固定金利毎月の返済額1.5%との差(月)利息の合計総返済額
1.5%91,856円-8,578,882円38,578,882円
2.0%99,379円+7,523円11,738,779円41,738,779円
2.5%107,249円+15,393円15,043,939円45,043,939円
3.0%115,456円+23,600円18,490,452円48,490,452円
3.5%123,988円+32,132円22,073,899円52,073,899円

固定金利が0.5ポイント上がるごとに、毎月は7,500円台〜8,500円台ずつ増えます。3.0%と1.5%では、総額で9,911,570円の差です。

3,000万円・35年・全期間固定の利息の合計(金利別)
  1. 1.5%858万円
  2. 2.0%1,174万円
  3. 2.5%1,504万円
  4. 3.0%1,849万円
  5. 3.5%2,207万円

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
3,000万円・35年・全期間固定の利息の合計(金利別)
条件毎月の返済額総返済額利息の合計
1.5%91,856円38,578,882円8,578,882円
2.0%99,379円41,738,779円11,738,779円
2.5%107,249円45,043,939円15,043,939円
3.0%115,456円48,490,452円18,490,452円
3.5%123,988円52,073,899円22,073,899円

固定金利は借りたあと動かないからこそ、決まる時点が大切

変動金利なら、借りたあとに金利が上がっても下がっても返済額に反映されます。全期間固定では、契約で決まった金利が完済まで続くため、どの時点の金利で決まるかが総額を左右します。上の表の0.5ポイントの差は、35年間ずっと続く差です。

【フラット35】の場合、借入金利は申込時ではなく資金受取時の金利になると案内されています。申し込んでから資金を受け取るまでに金利が動けば、返済額も変わります。その幅の考え方はフラット35の金利が決まる時期で計算しています。全期間固定の長所と短所は全期間固定金利の解説にまとめています。

長期プライムレートは住宅ローンの固定金利ではない

日本銀行の「長・短期プライムレート(主要行)の推移」には、長期プライムレートも掲載されています。統計の注記によると、これはみずほ銀行が長期プライムレートとして自主的に決定・公表した金利を掲載したもので、住宅ローンの固定金利そのものではありません。

固定金利の水準を知りたいときは、検討している金融機関が公表している住宅ローンの金利や、【フラット35】の公式資料を確認するのが確実です。指標の名前だけで自分の金利を推し量らず、実際に提示される金利で返済額を計算してください。

固定金利で借りる前に試しておきたい3つの金利

固定金利は一度決まると変わらないため、借りる前の試算がそのまま35年間の計画になります。試算では、次の3つの金利で返済額を出しておくと安心です。

  1. 今、検討先で確認できる金利:自分の借入期間・融資率などの条件に合った区分の金利
  2. その金利に0.2〜0.5ポイントを足した金利:金利が決まる時点までに上がった場合の備え
  3. 過去の推移資料で見た高めの水準:公式資料から、自分の区分で金利が高かった時期の水準を拾ったもの

上の表で言えば、1.5%で計画していた場合に2.0%でも毎月7,523円の増加に耐えられるかを確かめておく、という使い方です。3つ目の水準は予測ではなく、「このくらいの幅で動いたことがある」という参考にとどめてください。いずれの金利でも家計が回るかを確かめたうえで、変動金利や固定期間選択型と比べると、判断の軸がはっきりします。

固定金利の候補で返済額を試算する

検討している固定金利が分かったら、変動金利と固定金利の比較シミュレーションの「固定金利」に入れ、変動金利の上がり方をいくつか変えて総額を比べてください。どのくらいの上昇で総額が逆転するかの目安が分かります。

借入額ごとの返済額を一覧で見たい場合は3000万円の返済額早見表なども参考になります。早見表の金利は計算用の区切りで、特定の商品の金利ではありません。結果は特定の金利タイプを勧めるものではありません。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。